第十六回 熱中症に気をつけましょう!

梅雨が終わると、夏本番!わくわくする人もいれば、憂鬱になる人もいると思います。

涼しくなるまでの数ヶ月、上手に暑さと付き合うことで夏を乗り越えましょう!!

 

♦熱中症とは♦

身体の中では産熱と放熱のバランスがとれています。産熱とは身体が熱を作る働きで、放熱は身体の外に熱を逃がす働きをいいます。このバランスが崩れたとき、熱中症が起こります。   

熱中症を引き起こす条件は、「環境」と「からだ」と「行動」によるものが考えられます。「環境」の要因は、気温が高い、湿度が高い、風が弱いなど、「からだ」 「行動」の要因は激しい労働や運動によって体内に著しい熱が生じたり、暑い環境に体が十分に対応できないことなどがあります。

熱中症の症状は、めまい・失神・筋肉痛・筋肉の硬直・大量の発汗・頭痛・不快感・吐き気・嘔吐・倦怠感・虚脱感・意識障害・けいれん・手足の運動障害・高体温 などです。

 

♦熱中症予防には熱くなり始めが肝心♦

暑さに体が慣れるには、大体3~4日かかります。その間に、汗かくための自律神経が素早く反応できるようになり、体温が高くなりすぎないようになります。梅雨の合間に急に気温が上昇したりすると、体が追い付かず熱中症になってしまうことがあります。暑さに慣れることで熱中症になりにくい体を作ることが大事になってきます。

例えばウォーキングをされる方なら、少しきついかなと感じる速さで、水分補給をしながら汗をかく、運動をされない方は入浴時に半身浴で汗をかくまでじっくり温まるといいです。こちらも入浴前後の必ず水分補給をしてください。

 

♦室内で快適に過ごすために♦

暑い日は梅雨時期同様、室内にいることが多くなりがちではないでしょうか? 少しでも快適に過ごすために・・・

・すだれや遮光/断熱シート、カーテンなどで日差しを遮る。

・窓を2カ所以上開けて扇風機などで風の道を作る。

・除湿機やエアコンのドライ機能を使って湿気を取り除く。

・エアコン使用時は「自動運転」でお部屋の温度を効率的に冷やす。

・エアコンは温度を下げるのではなく、風量で調節する。

サーキュレータや扇風機を使って空気を循環させると節約に繋がります。

 

 

第十五回 生理前の強い眠気について

“生理前って、なんでこんなに眠くなって、だるいのでしょうか?”

“寝ても、寝ても、まだ眠い。”

皆さん、こんなこと思うことは今までありませんか?

どうして、女性には生理前にこんなことがおこるのでしょうか?

 

生理2週間前くらいから、体や心理的にも様々ないやな症状がおこることを、月経前症候群(premenstrual syndrome 略してPMS)と呼びます。

たとえばお腹が痛かったり、張ったり、お肌があれたり、ニキビが出やすかったり、イライラして怒りっぽかったり。そして、眠かったり、眠れなかったり。本当にいろいろな症状がでますよね。

 

今回はPMSの中で、“睡眠”についての話題です。

生理前に眠れなくなる状態を“月経前不眠症”、日中強い眠気に悩まされることを“月経関連過眠症(月経前過眠症)”といいます。

閉経の前後に、眠れなくなる“閉経時不眠症”も、月経に関連しておこる睡眠障害の一つです。

ある調査では、月経に関連して41%の女性で睡眠に変化があり、1%が月経前不眠症、43%は月経前過眠症、5%は月経時不眠症であったと報告されています。

 

生理の周期は、“卵胞期”と“黄体期”の二つに分けられます。

“卵胞期”は生理が始まってから排卵までの期間、排卵から次の生理までの期間は

“黄体期”と呼ばれています。

 生理周期に関連する主な女性ホルモンは、エストロゲン(卵胞ホルモン)とプロゲステロン(黄体ホルモンともいいます)。

生理前、すなわち高温期には排卵後の卵巣の黄体からは両方とも分泌されますが、特にプロゲステロンの血中濃度が高くなります。

 

プロゲステロンは、皆さんも基礎体温でご存じのとおり、体温を上げる作用があります。したがって、卵胞期に比べて、黄体期の最低体温と最高体温の差は小さくなります。私たちは、体温が覚めると眠くなり、体温が上がると目が覚めます。黄体期は1日の内での体温の変化が小さくなるので、睡眠と覚醒のメリハリも小さくなって、日中に眠気が強くなると考えられています。

プロゲステロンには、催眠効果もあります。プロゲステロンが分解されてできた“アロプレグナノロン”は、ガンマアミノ酪酸(GABA)の受容体に結合して、GABAという神経伝達物質を活性化し、睡眠導入作用、すなわち眠気をもたらすと考えられます。

典型的な月経関連過眠症では、月経の約1週間前から日中の眠気が強くなり、月経の開始とともに眠気が軽くなるパターンを取ります。このような過眠のパターンを取り、強い眠気が2日以上続き、このようなエピソードが年に1回以上あると、月経関連過眠症と診断されます。

 

これらの治療としては、基本的には生活指導とカウンセリングが行われます。 

生活指導としては、睡眠の質を高めるための生活習慣が勧められます。    

 

たとえば、日中に日光をしっかり浴びたり、昼夜の生活にメリハリをつけたりしましょう。気分転換を行うことも大切です。

基礎体温に日記のように記録してみて、月経周期と過眠症状の関連をみてみるのもよいと思います。ひどい眠気も生理が始まると軽くなることを知れば、気持ちが楽になり対処の仕方も見つかるかもしれませんし。

 

それでも過眠がひどくて日常生活に支障がある場合は、薬で治療をすることもあります。

治療薬としては、経口避妊薬(ピル)があります。ピルは排卵を止めるので、ホルモンの変化が少なく、生理があるときのような強い眠気は少なくなると思います。どうしても辛い場合は、是非一度相談してみてくださいね。

 

生理前の強い眠気に悩まされている方、生理前のこの憂鬱な時期を、お出かけやウォーキングなどで気分転換を積極的にしていけたらいいですね。 

 

第十四回 乳がん検診のすすめ

増加する乳がん!!!

乳がんは日本女性が最もかかることの多いがんで、最近は増加傾向にあり、16人に1人がかかる、と言われています。

40歳代と60歳前後にピークがあるのが特徴で、近年3040代の発症も多くなっており、特に遺伝性乳がんなど、若年発症例が問題になっています。

 

 

乳がん検診を受けましょう(すべての年代の方におすすめです)

皆さん、子宮がん検診とともに、ぜひぜひ乳がん検診を受けてください。

妊娠中や授乳期は、ホルモンの影響で乳腺が発達し、触診や自己検診では異常がわかりにくくなります。

ホルモン治療をされている方も同様の傾向があります。年齢が高い方も乳腺が固くなるため触診ではわかりにくいのです。

 

ぜひ、1年に1回、乳がん検診を受けましょう。

日頃から自己検診(裏面参照)をするよう心掛けるといいですね。入浴時あるいは入浴後などおススメですよ。

乳がん検診 は自費検査です。ご希望の方は、担当医あるいはスタッフにご相談ください。

 

 

自己検診(セルフチェック)は月1回生理後に!

月経前は乳房が張っているので、月経がはじまってから1週間~10日後に行うのが最適です。

 

 

第十三回 妊娠と免疫のお話 〜排卵期だけじゃない!“いつも夫婦仲良く”が、妊娠への近道!?〜

妊娠の成立と維持にも、このTh1/Th2バランスが働いています。

妊娠に適したバランスは、Th1細胞機能が低く、Th2細胞機能が高くなっています

流産や妊娠時の合併症をひきおこすのも、このTh1/Th2バランスが壊れ、どちらかに偏りが強くなることがきっかけとも考えられています。

Th1から分泌されるサイトカインは妊娠に有害に、Th2のサイトカインは妊娠をサポートすると考えられます。

 

 

さて、2015年12月アメリカのインディアナ大学のLorenz博士の研究チームは、排卵期だけでなく、月経周期を通じた性行為(性交)が、妊娠に有利に働く”、という内容の研究を2本発表しました。

 

研究①性交とTh1/Th2バランス・生殖ホルモンの関係

対象は、月経のある女性で、性交の活発な女性(週に1回以上)と不活発な(直近4か月間に全く性交がない)女性

測定時期は、月経周期(月経期、卵胞期、排卵期、黄体期)

Th1とTh2細胞から分泌されるサイトカイン量と、エストロゲン(E)とプロゲステロン(P)の女性ホルモン量を測定しました。 

 

結果:性交の活発な女性では、黄体期(排卵後の高温相の時期)のTh2サイトカインがTh1に比べて有意に優勢でした。また、黄体期のPとP/E比ともに高い結果でした。 

一方、不活発な女性では、黄体期のTh2サイトカインの優位性はみられませんでした。

 

研究② 性交と液性免疫である抗体(免疫グロブリン)IgAIgGの変動との関係

液性免疫の中心である、免疫グロブリンIgAとIgGも測定しました。

IgAは、体内の異物をとらえた後、すぐに起こる免疫反応の早い段階で出現する抗体で、粘膜組織内に存在し、“異物排除“の役割を担っています。

IgGは、IgAより遅れて血中に出現し、長期間にわたって体内に残る抗体です。

 

結果: IgAは性交の回数と関連し、回数が多い(特に週に3回以上)女性では排卵期に減少し、 性交が週に1回や全くなかった女性では排卵期に上昇しました。

IgGは、性交のあった女性では、少ない女性に比べ、排卵期に高くなっていました。

このLorenz博士のこれらの研究より、性交そのものが、Th1/Th2バランスや、女性ホルモン、免疫グロブリンを変化させ、妊娠に有利に変えると考えられます。

性交の活発な女性では、卵胞期に外的排除に働くTh1細胞とIgAが優勢になり、排卵期にはIgAが減少、IgGが上昇。黄体期になると妊娠をサポートするように働くTh2細胞とIgGが優勢になり、加えて黄体ホルモン(P)も上昇しました。

逆に、性交の少ない女性では、排卵期に異物攻撃の時に出現するIgAが上昇し、黄体期にTh2細胞優位がみられませんでした。このことは、性交の少ない女性ほど、排卵期に入ってくる精子に対してダメージを与える作用が強く、また排卵後の黄体期は、妊娠に有利な免疫状態ではない、ことを表しています。

 

結果として、排卵期以外の性行為(性交)は、異物である妊娠を受け入れるように免疫的に変化させ(免疫のトレードオフ)、これにより妊娠の可能性が高まる、ことを示しています。

このことは、自然妊娠だけでなく、人工授精や体外受精の治療周期でも同じことだと思います。

排卵期だけじゃなく、いつでも夫婦仲良く”の方が、妊娠への近道!になるということですね。

第十二回 妊娠と免疫のお話 〜妊娠と免疫の関係〜

米国インディアナ大学の研究チームから、“排卵期だけでなく、月経周期を通じた性行為(性交)が、妊娠に有利に働く”、という内容の研究が発表されました。

 

研究内容を説明する前に、妊娠と免疫の関係について、少し説明したいと思います。

体には、自分の細胞でないものが外から侵入してきたとき、それらを攻撃して、自己防衛する仕組みがあります。それを免疫(めんえき)といいます。

 

免疫の反応には、

免疫の司令官:Th1細胞とTh2細胞というヘルパ-T細胞

実行部隊:Th1とTh2細胞から分泌されるサイトカイン(インターロイキンやインターフェロンなど) が関わっています。

 

この2種類の免疫司令官はお互い仲が悪く、通常はバランス(Th1/Th2バランス)を保ち、免疫反応をコントロールしています。

 

Th1優位:細胞に直接ダメージを与え、体内の異物排除に働く細胞性免疫が強まります。 

Th2優位:抗体や補体を介する液性免疫が強まります。

食生活や生活環境の変化などにより、Th1細胞とTh2細胞との力関係(Th1/Th2バランス)が崩れると、Th1優位で自己免疫疾患、Th2優位で花粉症などのアレルギー反応がおこります。

 

では、妊娠と免疫はどんな関係にあるのでしょうか?

妊娠は、排卵された卵子が精子と受精し、100%自分のものではなくなった受精卵が、卵管内で分割しながら子宮の中にたどり着き、子宮の内膜にもぐり込み着床して、初めて成立します。

異物である受精卵や胎児を拒絶せずに受け入れることができるのは、妊娠には免疫の微妙なシステム(妊娠の免疫寛容)が働いているからです。

このシステムがうまく働かなくなることは、着床や、その後の妊娠経過に影響し、不妊症や不育症のリスクになる可能性があると考えられています。

第十一回 月経前症候群(PMS)について知りたい!【その他】

前回、前々回に引き続き、月経前症候群(PMS)についてのお話です。

この時期はどう過ごしたらいいの?という声も多いので、リクエストにお答えしてアドバイスさせていただきますね。

 

 

1.月経前は、可能な限りゆったり過ごそう

 

PMSは、疲れがたまっているときや、ストレスが大きいときに、強く出る傾向があります。ストレスは、まず脳内の神経刺激を伝達する作用のあるセロトニンの分泌を低下させてしまいます。

セロトニンは、生体リズム・睡眠・体温調節などの生理機能に関係があり、ドーパミンやノルアドレナリンなどの感情的な情報をコントロールし、精神を安定させる働きがあります。

月経前にもこのセロトニンが低下することが知られています。月経前、ストレスがセロトニン欠乏状態に拍車をかけ、さらに精神症状を悪化させると考えられます。

この時期は、スケジュールを詰め込まないように調整して、ゆっくり休養を取ることを心がけましょう。この時期は、入浴やマッサージ、エステ、アロマテラピーなど、お気に入りの方法でリラックスし、思い切り自分をいたわってあげたい。

 

2.動いて気持ちも体もリフレッシュしよう

 

むくみ予防、便秘解消、気分転換、ストレス解消などなど。PMSの悪化防止には、からだを温めて、血行をよくすることも大切です。

ゆっくりお風呂に入ったり、ストレッチやウォーキングなどで、からだを動かすと、血行がよくなり、ストレス解消にも効果的。安眠効果も期待できます。

 

3.サプリメントも効果的!

 

PMSの症状軽減には、ビタミンB6やγリノレン酸(ガンマリノレンサン)がとても効果的です。

ビタミンB6は、ドーパミンとセロトニン生成に必要な補酵素です。ビタミンB6の低下によりPMSの一因になるため、積極的にビタミンB6を多く含む食品(マグロやイワシ、サバなどの魚類、レバー類、バナナなど)を摂ることを心がけましょう。

γリノレン酸は、脂肪酸の一種で、女性ホルモンを整える成分として注目されています。PMS以外でも生理痛でお悩みの方にもおすすめです。PMSの時期だけでなく、毎日とり続けることでホルモンバランスを整える手助けをしてくれます。月見草オイルに豊富に含まれています。

 

4.通院や投薬による効果もあります

 

婦人科に診察を受けた際、メンタル症状や身体症状が強いのかに合わせて、医師より投薬することもあります。

頭痛や下痢、うつ症状などの症状には、それに合わせてお薬を処方します。

ホルモンバランスの乱れでおこっている可能性が高い場合、低用量ピルも効果的です。7~8割の方は症状が軽くなります。ピルにより、ホルモンの波をなだらかにすることで、症状が軽くなったり、消えてしまったりすることもあります。

漢方薬が効果を発揮することもあります。即効性はなくても、少しずつ改善する可能性があるので、継続的に服用してみましょう。

 

PMSというものは女性特有、個人差もあって、つらい方もおられると思います。

自分のできることから、まず始めてみませんか?

第十回 月経前症候群(PMS)について知りたい!【食事編】

前回に引き続き、月経前症候群(PMS)に関する情報をお届けします。

PMS症状の傾向をつかむことができれば、食生活や過ごし方を見直すことが可能となります。

基礎体温を測って、PMSの予防を心がけましょう。

 

<本日の質問>

月経前症候群を緩和するにはどのような食生活を送ったらいいのでしょうか?

 

<回答>

PMS予防のPOINT! 

①自分の食生活・食行動を見直そう。月経前は、特に食品に気を配ろう。

6つの基礎食品群からバランスよくとって、免疫力アップしましょう。

≪積極的に摂りたい食品≫

ビタミン(A、C、B6、Eなど)やミネラル(カルシウムやマグネシウム)を多く含んだ食品

•豆類(豆腐、納豆、みそ)
•緑黄色野菜(人参、カボチャ、ホウレン草):ビタミンA, C
•いわし、さば、バナナ、若鶏:ビタミンB6を多く含む
•海藻類(わかめ、ひじき、昆布)
•植物油脂(オリーブ油、大豆油):ビタミンEを多く含む
•ナッツ類(ゴマ、落花生、アーモンド):ビタミンE
•精製していない雑穀類(玄米、小麦はい芽、そば)
 

≪避けたい食品≫

•アルコール・カフェイン(コーヒー、紅茶、日本茶、チョコレート)
 →精神的な不調を促進する可能性あり
•塩分・添加物(食塩、漬物、ベーコンやハムなどの加工食品、インスタント食品、スナック菓子)
 →からだのむくみ、体重増加、乳房痛や乳房の張りをひきおこします。
•砂糖(白砂糖、ジュース)
 →血糖値をできるだけ一定に保つことが重要。砂糖は一時的に血糖値を上げて気分を落ち着かせてくれますが、その後の急激な血糖値の低下によって、疲労感、憂うつ感など、不安定な気分になってしまいます。
 

それでも、月経前になると普段と食の好みが変化し、無性にジャンクフードが食べたくなったり、甘いものが食べたくなったりするという女性は多いかもしれません。そのよう変化とは裏腹、PMS症状を改善するには糖分や塩分の過剰摂取に気を付ける必要があるのですが、それらを一切取らないように我慢するとストレスがかかってしまい、不調に拍車をかけることにもなりかねません。

血糖値の変化をできるだけ少なくするには、1日に3回ではなく、4〜5回に分けてこまめに食事をとると良いかもしれません。また、甘いものを食べるなら、洋菓子よりも、黒砂糖・あずき・栗・サツマイモなどを使った和菓子がお勧めです。

第九回 月経前症候群(PMS)について知りたい!【症状・原因編】

今回は、男性にも知ってもらいたい月経前症候群(PMS)についてのお話です。

月経前になると、イライラする、体調が悪くなるという経験をされたことはないでしょうか?

およそ8割の女性が感じている月経前症候群について、数回にわたり解説してまいります。

 

<本日の質問>

月経前症候群とはなんでしょうか?

 

<回答>

月経前症候群(PMS:Premenstrual Syndrome)とは?

 

女性の80%が経験したことのある、月経前の「イライラする」「気分が沈んでしまう」「からだの具合が悪くなる」という症状のこと。それらの症状も多彩で、200~300もあるといわれています。

この症状が起きるのは、月経の2週間前(黄体期)で、基礎体温が普段と比べて0.3~0.5℃上昇している時期にあたります。通常、月経がくるとともに、その症状は減退ないし消失します。

PMSの訴えが特に多いのは、20~30代。どちらかというと20代はからだの不調、30代は心の不調を訴える傾向があります。

月経前になると、決まって仕事に集中ができなくなったり、ミスを連発したり、怒りっぽくなって周囲との関係を気まずくしてしまったり。また、PMSにはストレスも大きく関係していて、ストレスが大きい人は特に症状が強く出る傾向があります。

PMSの症状は?

 

≪からだの不快な症状≫

乳房が張る、痛む。お腹が張る、痛む。腰痛、肩こり。

冷えがひどくなる。便秘・下痢になる。手足がむくむ。吐き気がする。

≪肌の状態≫

化粧のノリが悪い。ニキビができる。肌荒れがひどくなる。

≪心/行動面の変化≫

イライラする。怒りっぽくなる。急にキレてしまう。憂鬱になる。不安になる。食欲亢進/減退。集中力がおちる。やたらと眠くなる/眠れなくなる。やる気がおこらない。などなど・・・・・

 

PMSかどうかの診断は?

 

体調や気分の変化があっても日常生活が普通におくれているか、仕事に影響が出ていないかなどの問診を中心に行われます。月経前は誰もが多少体調が悪くなったり、イライラしやすくなったりしますが、それらの変化が極端で、日常生活に支障をきたすレベルと判断されると、PMSと診断されます。

 

第八回 フーナーテストってなんですか?

季節の変わり目ですが、皆さんは体調を崩したりしていませんか?

睡眠や栄養をしっかりとって、毎日を過ごしてくださいね。

 

<本日の質問>

フーナーテストってなんですか?

 

<回答>

フーナー(ヒューナー)テストとは?

 

排卵日付近の性交の翌日に、内診で子宮の頚管の粘液を採取し、顕微鏡で観察し、主に

1)子宮の頚管粘液の状態 

2)精子の状態(どれくらいいるか?元気に動いているか?など)

を検査しています。

不妊症検査の一つで、“性交後試験”とも呼ばれています。

 

オリモノが増えてきたら、仲良くして、次の日に診察に来てくださいね”と診察のときにいわれたら、排卵時期のタイミング指導と、このフーナーテストを兼ねています。  

この時期に性交があれば、腟内に射精された精液と子宮頚管から分泌された粘液が接触し、精子は自力で粘液の方へ移動し、子宮の頚管を通過し、子宮内、そして卵管内まで到達します。同じ時期に排卵して卵管内に取り込まれた卵子とは卵管内で受精し、最終的に子宮内に受精卵が着床すれば、妊娠となります。

 

 

どんなオリモノ?

 

オリモノ(下り物)とは、女性の性器から出るさまざまな分泌液の集まりで、子宮頚管の粘液、子宮内や腟粘膜・皮脂腺などの分泌液、はがれ落ちた古い腟の細胞・・・などが混じり合って、通常は白く(またはクリーム色)で、サラッとしています。 

生理が終わり、卵胞が発育してくると、エストロゲンが次第に増加し、この作用により子宮の頚管から分泌される粘液も増えてきます。

初めは不透明でネバネバした状態でまだ少量ですが、排卵が近くなってくると、エストロゲンがピークに達し、次第に透明なサラサラな卵白様の粘液が増量し、糸を引くような性状になってきます(牽糸性)。この時期の頚管粘液の量は0.3~0.4mlほど、牽糸性が10センチ以上、乾燥させるとシダの葉っぱのような結晶がしっかりできます。

この時期は普通の白っぽいオリモノに混じって、透明の頚管粘液が優勢になって、“拭くとヌルッとした感じ”がでてきます(個人差があります)。

そして排卵後は、排卵後に分泌される黄体ホルモン(プロゲステロン)の影響により、急激に牽糸性が低下して、ベトッとした状態になります。この時期には、子宮頚部には粘液のふた(粘液栓)が作られ、細菌が子宮内に進入することを防いでくれます。この状態では精子はもはや子宮内に進入できません。

 

 

フーナーテストの結果があまりよくなかったら?

 

1)頚管粘液が少ない場合:ほとんどは原因不明ですが、ホルモンのバランスが悪い場合も多いと思います。

他には、子宮頚部の手術をされた方も頚管粘液が少ない傾向にあります。 

 

2)精子が少ない、あまり見られない場合:そろそろご主人の精液検査をしたほうがよいかもしれません。

もしかしたら、精子が少ないとか、運動性が悪いとか判明するかもしれません。

 

この検査の一番の目的は、妊娠のためのタイミングの時期を伝えることです。ホルモンの状態も、頚管粘液の量も、ご主人の調子も、その都度違います。検査結果はあくまでもひとつの目安です。

それでも、うまくタイミングを合わせていてもなかなか妊娠に至らない場合、人工授精(AIH:子宮内にカテーテルで直接精子を注入する)という方法は、解決する一つの選択肢かもしれません。

 

不妊原因は複数にわたる場合もあり、また皆さんそれぞれ程度も違いますので、検査や治療方針もそれぞれで違います。今後の方針については、よく相談してみてくださいね。

 

第七回 注射や内服薬にはどんな効果がありますか?

これまで、六回ほど女性の体について様々なお話をさせていただきましたが、いかがでしょうか?

今回は、不妊治療に使うお薬のお話をさせていただきます。

 

<本日の質問>

不妊治療に使う注射や内服薬にはどんな効果がありますか?

 

<回答>

 

女性の月経の周期ではいくつかのホルモンが複雑に相互作用することにより、卵巣で卵胞の発育、排卵、黄体の形成がおこることを、第六回でお伝えしました。

ホルモンを分泌する脳や卵巣がきちんと働かなければ、ホルモンのバランスが崩れてしまいます。

 

みなさんの基礎体温表を眺めてみてください。

①低温期: 長引いていたり、極端に短かったりしていませんか?

②排卵期: 排卵時期はわかりやすいですか?体温の上昇がゆっくりではありませんか?

③高温期: がたがただったり、低めだったりしていませんか?また期間が短くなっていませんか?

基礎体温表

 

基礎体温は測り方によって誤差が生じやすいものなのであくまでも参考資料なのですが、この資料にホルモン検査を追加することによって、より客観的に推測することができます。

月経周期の卵巣での変化

 

実際にはどのような問題点が推測されるのでしょうか?

①低温期の異常: 卵胞(卵子)の質が未熟や不良である可能性があります。

②排卵期の異常: 卵子が十分に成熟せず、排卵を促すホルモンの変化が不十分な場合におこります。ときに、排卵していない可能性もあります。

③高温期の異常: 黄体ホルモン(プロゲステロン:P)を十分に分泌する黄体が形成されていない、またはプロゲステロンの分泌を刺激するホルモン不足(黄体の機能不全)から、子宮内で受精卵が発育する環境が悪化しまる。排卵前の卵胞(卵子)の質不良や、ストレスなども関係します。

 

少しでも改善や補助的な役割をするのが、皆さんに普段処方されている、注射や内服薬(下記の表)なのです。(ただし、皆さんの状態に合わせるため、必ず処方するわけではありません。)

 


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