第七回 注射や内服薬にはどんな効果がありますか?

これまで、六回ほど女性の体について様々なお話をさせていただきましたが、いかがでしょうか?

今回は、不妊治療に使うお薬のお話をさせていただきます。

 

<本日の質問>

不妊治療に使う注射や内服薬にはどんな効果がありますか?

 

<回答>

 

女性の月経の周期ではいくつかのホルモンが複雑に相互作用することにより、卵巣で卵胞の発育、排卵、黄体の形成がおこることを、第六回でお伝えしました。

ホルモンを分泌する脳や卵巣がきちんと働かなければ、ホルモンのバランスが崩れてしまいます。

 

みなさんの基礎体温表を眺めてみてください。

①低温期: 長引いていたり、極端に短かったりしていませんか?

②排卵期: 排卵時期はわかりやすいですか?体温の上昇がゆっくりではありませんか?

③高温期: がたがただったり、低めだったりしていませんか?また期間が短くなっていませんか?

基礎体温表

 

基礎体温は測り方によって誤差が生じやすいものなのであくまでも参考資料なのですが、この資料にホルモン検査を追加することによって、より客観的に推測することができます。

月経周期の卵巣での変化

 

実際にはどのような問題点が推測されるのでしょうか?

①低温期の異常: 卵胞(卵子)の質が未熟や不良である可能性があります。

②排卵期の異常: 卵子が十分に成熟せず、排卵を促すホルモンの変化が不十分な場合におこります。ときに、排卵していない可能性もあります。

③高温期の異常: 黄体ホルモン(プロゲステロン:P)を十分に分泌する黄体が形成されていない、またはプロゲステロンの分泌を刺激するホルモン不足(黄体の機能不全)から、子宮内で受精卵が発育する環境が悪化しまる。排卵前の卵胞(卵子)の質不良や、ストレスなども関係します。

 

少しでも改善や補助的な役割をするのが、皆さんに普段処方されている、注射や内服薬(下記の表)なのです。(ただし、皆さんの状態に合わせるため、必ず処方するわけではありません。)

薬剤表